オートロックって本当に安心?賃貸契約前に考えておきたい基礎知識~その2:デメリット編~

前回は、オートロック物件のメリットについていくつかお話しました。建物と無関係な人が入りにくい物件で、一人暮らしや子供がいる世帯には嬉しいメリットがたくさん詰まっていましたね。

ただ、「絶対安全だ」とは残念ながら言いきれません…。一般的には「オートロック=完璧なセキュリティ」とイメージされることが多いですが、次のようなデメリットもあります。

物件選びでは、デメリットも知っておきたいものです。

◆オートロックのデメリット

オートロックのデメリットとして考えられるのはどんな点でしょうか。

◎家賃が高い
オートロックがあるアパートの多くはおそらく築年数が新しいかと思います。そのため、「構造が頑丈」「清潔感がある」「管理人がいる」など、設備的にも安心の構造でデザインも魅力があり、セキュリティシステムも最新式で借りたくなるような魅力が満載でしょう。オートロックシステムの導入、管理人の存在など、管理面にお金がかかるので家賃的にも高めとなっています。

◎カギをなくすと建物に入ることができない
オートロックと言ってもカギを差し込むタイプ、暗証番号入力タイプ、カードタイプなど種類があります。カギやカードタイプだと、カギを忘れてうっかり建物を出るとエントランスから再び入れなくなるので注意が必要です。

◎カギを失くしてトラブルになるケースもある
エントランスのカギが各戸共通の場合、カギを紛失した一人のために全戸分のカギを新しく作り直す必要が出ることも…。かかった費用を請求されるケースもあります。

◎絶対安心とは言い切れない
暗証番号を入力するタイプのシステムだと、外部の人間に番号を知られる可能性もあるでしょう。家族や友達に暗証番号を教える住民がいれば、居住者以外の人の人が自由に出入りできるかもしれませんね。

また、住民がエントランスから入るときに自動で開いたドアがしまるまでに外部の人間がさりげなく建物内に侵入する可能性もゼロではありません。

◆オートロック以外のセキュリティにも注目する

「オートロックだから大丈夫」と過信するのではなく、物件選びではそれ以外のセキュリティ面がしっかりしているかどうかも条件のひとつに加えることも大事だと思います。

「監視カメラがある」「管理人がいる」というケースなら、オートロックにプラスしてさらなる安心感があるかと思います。しかし、オートロックもない、管理人もいない、監視カメラもついていないような古い賃貸物件なら、外からの不審者がなんらかの方法で侵入する可能性も高まります。

なかでもセキュリティとして安心感があるのは管理人の存在です。玄関を通る不審者に気づくのは、ふだん常駐している管理人さんということも多いでしょう。「人がいる」というだけで、不審な人物は侵入を試みようとしないので、防犯性は高くなるかと思います。

オートロックに「100%の安全」と過剰な期待をするのには、リスクがあります。ただ、基本的にはセキュリティが全く対策されていない建物よりは、オートロックシステムがあれば入りにくさから外部の人間が侵入するリスクはかなり減ります。オートロック以外にも、監視カメラや管理人の有無などにも目を向けて見ましょう。

「完全ではないけれどあると安心」といった感じで、オートロックのメリット・デメリットの両方を把握しておくことをおすすめします。